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読書評「自助論」

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これを読んでいます。

きっかけは、最近お知り合いになった、藤沢市議会議員の桜井直人さんという方、
そしてAmazonのレビューから。


桜井さんは言わずと知れた、
藤沢の健康を担う、政治のプロです。

その方に、
「あなたの仕事の健康効果はなんですか?」
というインタビューをさせて頂いたのですが、
そのとき、

「政治って自助じゃないですか。でも実際は公助ですよね?」

とおっしゃるのを聞いて、あ、、、、と思いました。


ちょうどその何日か前に、
Amazonをみてたのです003.gif
ベスト100選みたいなコーナーでみて、
「あ、自助論だ。これ言葉はよくきくなー。
なんなんだ。読んでみようかな。」

と思ったところだったんですよね。

で、その夜注文しました。
(本は本屋さんで買う行為そのものが癒しなんですが、
こういうときは別!早く読みたい012.gif


ちなみにAmazon先生のレビューは
わたしの愛読書の一つです!

それで買う買わないのジャッジをしてはないし、
小説家の大先生と並ぼうという野望もない←当たり前(笑)
のだけれど、レビューって、

「救われました!」

みたいな内容が多いですよね、
もちろん酷評もありますが、
なにしろそこから浮かび上がる、
何が人を救っているのか、いないのか、
をグルグル考えるのが、
三度の飯より楽しいです。
ヲタクです。023.gif



そして、貴重だとも思います。

だって、今では集めようのない10年前の書き込みがあったりして、
今とあんまり変わらないんだわあとか、
時代だわあとか、いろいろ思うし、
逆に、100年前の本に対する昨日のレビューもあるし、
はたまた、
「中2です。テスト勉強の息抜きに読みました」
とか、
「小生70代でありますが孫に勧められて手にとりました」
とか、、
一冊の本が時代や年代を超えて
人を救うあり様がそこに生きていて、
それを発信者と受け手両方の立場から、
しかも、絵より文字派のわたしとしては、
それを言葉でみせてもらえるってところで、
至れり尽くせりです!016.gif


で、「自助論」ですが、
本データはAmazon先生に譲るとしまして、
わたしの勝手レビューを繰り広げたいと思うのですが037.gif

この本、150年以上前にスマイルズさんというお医者さんが書いた
生き方、習慣にすべきルール、
考え方を説いた本で、
世界的歴史的名著だそうです。

わたしの、この内容への賛同度は、
決して高くはないんです。
中の低くらい。
だけど、読んでて楽しい度
そしてリスペクト度は、かなり高です。

なんていうのか、自助論という考え方が「人」だとしたら、
真似しようとは思わないが、
人柄が好きで続いてる人
みたいな感じ。

周りを見渡すと、
例えばお仕事を一緒にするのは
習慣や思考回路が似てる人に
限らなかったりする。
今日、ある整体の先生と、
自己啓発みたいなお話になったときに、
そのこと気づいたんです。
へえ、と思いました。

長年一緒にいる大好きな人たち、
それは友達も仕事仲間も含めて、
「わたしならそうはしないなー」
みたいな方々もいれば、
「そうそうわかるー」
みたいな方々もいて、
考え方がにてるにてないは、
好きになったり、友情が生まれたりするのに
あまり関係ないんだなと思いました。

人になつく判断基準ってなんなんでしょうね?
まあとにかく、
自助論が、ちょうどそのうちの、
考え方が似てない人みたいな印象でした。

薬膳ヨガの真逆をいく部分も
結構ありそうです。
まだ全部は読んでいないのですが、

つらくてもやるべし

みたいな下りがちょいちょい出てきます。
だけど癒されちゃう。
読んでてここちいいんだもん。
なぜかっていったらやっぱし!
著者の人柄です。
スマイルズさんそのものを
好きになっちゃったんだと思います。


今日はその「自助論」から一節、
書き抜きをさせていただきます
ほぼ2ページ、書き抜きます!




〜以下、「自助論」より抜粋〜


”神がかり的な情熱”はどこから生まれるか


アメリカの鳥類学者オーデュボンは、ある事件のために、あやうく研究を断念せざるを得ないところまでおいつめられた。彼は次のように語っている。

「あの時、心が打ちひしがれるほどの困難に直面していながら、それを乗り越えることができたのは、おそらく自分の研究に”神がかり的な情熱”をもっていたからだと思う。当時の自分のがまん強さは、まさに”神がかり”という言葉でしか表現できない。

事件というのはこうなのだ。そのころ私はケンタッキー州のヘンダーソンという村で暮らしていたがフィラデルフィアに用事ができて、しばらく家を留守にすることになった。当時、私はいろいろな鳥の姿をスケッチしていたのだが、その絵は200枚近くに達していた。そこで出発前にその絵を全部、注意深く木箱に詰め、親戚の者に預けた。もちろん、貴重な研究資料だから、傷ついたりしないよう、くれぐれもしっかり保管してくれと頼んでおいた。

フィラデルフィアでの仕事は数ヶ月かかった。ようやく村に戻り、2,3日ほど体を休めた後、私は例の木箱を受け取りに行った。宝物のように大切にしている自分の絵と再会できるのは実に幸せな気分だ。箱が取り出され、ふたを開ける・・・。

ところが、箱の中には、なんとつがいのドブネズミが主人然とした顔で居座り、おまけに子ネズミまでうまれているではないか。私の絵はすべてズタズタに食いちぎられ、子ネズミの寝床にされていたのだ。

一瞬のうちに血が上り、わけがわからなくなった。あまりのショックに神経がすっかりやられたのだろう。その場で倒れてから三日三晩、私はベッドに伏せったままだった。その間はまったく茫然自失の状態にあったようだ。

けれども、そのうちに私は自分の体や心が動物的本能ともいえるような力で満たされるのを感じるようになった。その力は、私を仕事へと駆り立てずにはおかなかった。とうとう私は銃とスケッチブックと鉛筆を携えて森へ出かけた。あんないまわしい事件などなかったかのごとく陽気な気分だった。

そして再び、私は猛烈な勢いでスケッチをはじめた。絵は、以前のものよりきっとうまく描けていると思う。しかも3年もしないうちに、私は失った絵をつぐなって余りあるほどたくさんのスケッチを完成させることができたのだ。」



抜粋は以上です。
ワクワクしたのは、

けれども、そのうちに私は自分の体や心が動物的本能ともいえるような力で満たされるのを感じるようになった。

の前後のながれ。

ありますよねーこういう事、
「何これ、最悪…」
と思って周りに散々ぐちって心配かけといて、
しばらくしたら元気になっちゃったみたいな(笑)

レビューを読んで、
気難しい大先生にお会いするような、
緊張をしてたわたしには、
あ、そこなんだ(笑)
それでいいのかあ神がかりな情熱って(笑)
と、拍子抜け。

世界の自助論らしいですが、
誰にもできないことにスポットをあてる偉い人じゃないんですね、
それを説いた人って!
むしろ誰でも経験ありそうなことを
大真面目に取り上げる偉い人ってなんかイイ。
偉い人なのにかわいい010.gif

というわけで、
自助論の賛否以前に、人に惹かれて、
読後感はぱあっと明るいです058.gif

人は人柄に惹かれたものに、
救われるのかもしれませんね。
時代を超えて人々を救うのは、
案外、そんなものなのかもしれません016.gif
by iiyo-ok | 2014-11-11 19:33 | みほこライフ