アトピー性皮膚炎のこと

先日、4歳の娘さんのアトピー性皮膚炎がきっかけで、
薬膳講座にきてくださった方がいました。

食材はできるだけ、その土地の無農薬のもの。
お菓子はできるだけ手作り。
そして、土や太陽のエネルギーのないものは、
パッケージをみただけで何かそうと感じる、というようなお話を、
聞かせてくれました。

素敵だなぁ。。まさに「薬膳生活」だ!!

持っている知識を楽しく組み合わせて、家族のことを思って、
これこそ思いやりの食事だと思いました。
仕事も家庭も幸せに輝く素敵なママの、
力の抜けた感じ、謙虚な感じ、
すごくいいなぁと思いました。

アトピー性皮膚炎のことは、
猪越恭也さんの2冊の著書をたびたび開いていたのですが(文末参照)
こちらをもとに、
ヨガと食事で何ができるか、私なりに考えてみました。
軸となっているのは、この2つです。

①皮膚の病気は、脾・肺・腎。
②原因は、ホコリと食事と消化力。

それぞれ、かんたんに、まとめてみますね!


①皮膚の病気は、脾・肺・腎。

中医学の根っこに、五行論というものがあります。
地球上の、生きとし生けるすべてのものが
<木>と<火>と<土>と<金>と<水>の
5つに分類されるという理論。
どこかで聞いた、陰陽五行とかいうのって、
そういう内容だったんですね。

たとえば、
私たちの持っている、内臓、体のパーツ、喜怒哀楽の感情や、
昔からある、色や、四季や、食べ物。
手を加えて加工したものじゃなく、
自然な感じに授かってそこにあるものは、
すべて、この5材のどこかに入るというわけです。

本当かどうか検証するのは、あとでゆっくりやるとして、
(薬膳講座でもやります!)
東洋医学をもうちょっとよく知るために、
五行というのを、しばらく、そのまま見てみましょう。

たとえば、内臓。
東洋医学は、この五行を使って、五臓を
こんなふうにみています。

<木>のグループに「肝」
<火>のグループに「心」
<土>のグループに「脾」
<金>のグループに「肺」
<水>のグループに「腎」

では、ちょっと内臓から目をはなして、
<木>や<火>のほうをみてください。

木って、昔から、火を燃え上がらせる材料として使われていますよね?
木は火を、応援する役割にある。

同じように、それぞれのグループに属する
「肝」は、「心」を応援する関係にある、とみるのです。

具体的にはどういうことかというと、
「心」は、血液を循環させる働きをしてる。
これをちゃんと活動させるには、
「肝」の応援が不可欠、
「肝」も、元気でいることが必要だということ。
東洋医学では、自然界と人が同一なんです。

同じように「肺」もみてみます。

肺は<金>のグループ。
<金>は<土>が鉱山を作ることで、生まれると考えます。
ということは、土は、金を応援する役割にある。

同じように五臓をみていくと、
「脾」が「肺」を応援する。

具体的にはどういうことかというと、
「肺」の呼吸器系の働き、
これをちゃんと活動させるのには、
「脾」の応援が不可欠、
「脾」の消化器活動が、ちゃんと機能していることが
必要なんです。

さらに、「腎」もみてみます。

腎は<水>のグループ。
<水>は、昼夜の温度差で<金>が結露して、生まれると考えます。
(アルミサッシの水滴、思い出しますね・・)
ということは、金は、水を応援する役割にある。

これを、内臓でみてみたら
「肺」が「腎」を応援する。

具体的には、どういうことかというと、
「腎」の、生殖や体を正常に保とうとするホルモンの働きを
ちゃんと活動させるには、
「肺」の応援が不可欠。
「肺」の呼吸器系が、元気に動いていることが
必要なんですね。

3つの臓が、どういう関係にあるか、
見えてきましたか?

では、今度は、1つのグループだけを
もうちょっと深くみていきましょう。

たとえば、<金>のグループは、
五臓でいったら「肺」が仲間ですが、
ほかにも、これに属するものがあります。

六腑でいったら「大腸」
末端の場所でいったら「皮膚や皮毛」
顔のパーツでいったら「鼻」
感情でいったら「憂(悲しむふさぐ)」
色でいったら「白」
季節でいったら「秋」




なにせ、万物がどれかに所属するので、
まだまだあるんです!

そして、同じグループのもの同士は、
何かしら、関係しあって、影響しあっているんです。
たとえば、皮膚呼吸っていいますが、
五行では、鼻と肺に加えて、皮膚も同じ仲間に
なっているでしょう?

(文献によると、皮膚呼吸って、
カエルは全呼吸量の30~50%で、ひとは0.6%だそうです。
全体の200分の1程度だけれど、私たちも皮膚で呼吸ってしてるんだ・・。)


それぞれ、キーワードを並べてみます。

<金>=肺、大腸、鼻、呼吸器、憂(悲しむ)、秋、白
<土>=脾、胃、口、消化器、思(考える)、長夏(湿気の雨)、黄色
<水>=腎、膀胱、耳、泌尿器、生殖・成長、ホルモン系、恐(不安や心配)、冬、黒

じーっとみてると、連想ゲームのように、
最近の自分の日常に思いが飛んでいきませんか?
私は今、こんなこと、思いました。

あ~胃の調子、よくないんだよね→口も荒れてる→梅雨だからか…→
そういえば、考え事してるよなぁ→思い出すと胸が痛い→白い布団に寝ると落ち着くの
だからかなあ…

五行で見る自分は、組み合わせ、関係が日替わりで無限で、
それが、自分にだけわかる症状だということもあります。

挙げたのは、5つのうち、3つのグループに属するもののごく一部ですが、
今日の皆さんに、何か思い当たること、ありますか?
自分で心当たりがつけられるのが、
東洋医学の特徴でもあるんですが、
五行は、それに、よく使われるんです。

つまり、皮膚の症状は、肺からのメッセージ、
肺をとりまく、腎と脾からのメッセージかもしれないから、
ムリにとめるなんて、とんでもないですよと、
本では、かゆみを、火災報知器にたとえているんですよ。

確かに、大きな音で鳴りだすと、ジリジリうるさい!
急いでとめてかかりたくなります。
でも、もし永遠にそのスイッチを切ってしまえば、
誰も火事に気づけない。
大火災となってしまいます。
鳴って(かゆくなって)くれることで、
大災害(病気)にならずに済んでいるんだったら、
鳴る原因となった、
場所(内臓)や現状(症状)をようくようく知って、
もう鳴らないような環境を作ることですと、
この本は繰り返し教えてくれています。

では、火災報知器が鳴らない環境づくりって、
何をどうしたらいいのでしょうか?



②原因は、ホコリと食事と消化力。

アトピー性皮膚炎の原因は、
外と内、両方にあるといわれています。

外からの刺激は、
ダニ、ホコリ、動物の毛やフケなどの接触性のものや、
飲食物などの、食物性のもの。

内側は、意外なようだけれど、消化力が一番なんです。
消化力が、まだ完全ではない乳幼児は、
たんぱく質をアミノ酸にできない、糖質をブドウ糖にできないことが
体質によって、ありえます。

すると分子量の大きい未消化物を、体は異物だと思って
除去しようとする。
すると、免疫力が過剰に反応して、
それが、かゆみや湿疹となって、皮膚に現れるのです。

成人の場合は、外原因として、ほかにも、
喫煙、飲酒、甘味、疲れ、などが原因になるようですが、
消化力のことを知ったとき、
私はそうかぁと納得がいきました。
実は私も、以前は冬は毎年、顔が赤くかゆく乾燥して、
皮膚科に通っていたんですが、
同時にそのとき、すい臓もよわらせていて、
消化の薬を、処方されていたんです。
①の、「脾」が「肺」を応援するしくみが
ちょっとわかってきましたよね。


ついでに、「肺」が弱れば「腎」も弱るのほうですが、
これも、アトピー性皮膚炎の中に、わかりやすい流れが
ありました。

「腎」は、ホルモンの司令塔で、かゆいときには、
かゆみ止めホルモンを作ってくれています。
副腎ホルモンといって、
「肺」が弱ると、これも低下してしまうのです。

また、このホルモンを外用薬にしたものがステロイドで、
だとしたら塗ればかゆみがとまりそうなのだけど、
そうすることで「腎」の作る天然成分のかゆみ止めは、
出番をなくして、さらに、免疫力の低い体に
なっていってしまうんだそうです。

肺が弱ったままだと、腎が弱って
そのために、かゆみももっと大きくなってしまうのです。

ほこりと食事と消化力。
これだけではないかもしれなけれど、
掃除をして、食事をきをつけて、体のことは
まず胃を元気に、ちゃんとおなかがすくことから
気をつければいいのかもしれません。


以上、2つの軸でいろいろ考えてみましたが、
何をしていてもかゆいというのは、
想像以上に、つらいものだと思います。
食べられないくらい、眠れないくらい、だと聞くと、
一時的にでも、楽になる外用薬だって
対策のひとつのようにも思えます。

でも、自分の力で、根本から治す方法があるなら、
誰だってそちらを選びたいですよね。

もし本当に、消化力をつければ、かゆみが小さくて済むなら、
肺を鍛えれば、天然のかゆみ止めが強化できるなら、
試してみる価値はあるかもしれません。

食と運動がその方法のひとつになることを願って、
「脾」と「肺」と「腎」を強くする、
運動と食材をまとめておきます!

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◆運動
たくさんあります!ヨガで少しづつお伝えしますね。

・一日3回、大きなのび。
・肺呼吸(胸いっぱいに深く息を吸って吐く)
・背中だけのでんぐり返し。
・手を腰に添えて、状態を左右に曲げる・
・足を伸ばして座って、足首まわし。
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◆食材
それぞれの五臓を強くする一例です。
動物性のたんぱく質など、症状を促進してしまうものがあれば、
ご判断の上、摂りいれてくださいね。

<肺を強くする>
・キクラゲ、梨、りんご、レタス、にんじん、バナナ、湯葉
ししゃも、わかめ、しょうが、ヨーグルト

<腎を強くする>
・白菜、黒・白ゴマ、黒豆、エビ、昆布、海苔、サザエ、はまぐり、
たまご、豚肉、シナモン

<脾を強くする>
・かぼちゃ、寒天、キャベツ、きゅうり、グレープフルーツ、イモ類、
きのこ類、雑穀類、とうもろkし、蕎麦、イカ、イワシ、カツオ、
まぐろ、牛肉、鶏肉、黒砂糖、山椒、はちみつ、
ウーロン茶、紅茶
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~引用文献~
著/猪越恭也(中医学専門家・薬剤師)
「皮膚の病気は内臓でなおす」
「五臓六腑の健康百科」
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by iiyo-ok | 2010-06-14 17:56 | 薬膳フレンチ講座